PCクラッシュから始まった悪夢の年末
2025年の瀬も押し迫ったある日。
長年連れ添った自宅のメインPCが、何の前触れもなく突然の死を迎えました。
プツン、という音と共に画面はブラックアウト。
再起動を試みるも、虚しくファンが回る音だけが響くのみ。
「嘘だろ……?」
よりによって、年末の書き入れ時。
しかも、半導体不足や円安の影響でPCパーツの価格が高騰している、最悪のタイミングです。
泣く泣く貯金を切り崩して新調しましたが、さらなる悲劇が。
バックアップを取っていなかった一部のデータの復旧に失敗し、過去の旅行写真や、コツコツ集めてきた秘蔵のデジタルコレクションが、電子の海へと消え去ったのです。
「思い出なんて、心の中に残っていればいいのさ」
と、ハードボイルド小説の主人公のように強がってはみたものの、精神的ダメージは計り知れません。
ブログの更新も滞り、一時は「もう今年は何もせず、布団の中で冬眠しようか」と本気で考えました。
個人サイトが更新を停止し、静かに消えていく理由の一つを、身を持って体験した気がします。
気を取り直して、クリスマスの準備
とはいえ、世の中はクリスマス一色。
街に出ればジングルベルが鳴り響き、イルミネーションが煌めいています。
浮かれた空気をシャットアウトして、部屋で一人カップラーメンを啜るのも一つの「漢(おとこ)」の生き様ですが、同居している家族の手前、最低限のイベント感は演出しなければなりません。
しかし、一からチキンを焼く気力も、ケーキをデコレーションする体力も残っていない。
そんな満身創痍の私が選んだのが、フレンチスタイルのカフェ「オーバカナル(AUX BACCHANALES)」のテイクアウトセットです。

「オードブル・ド・ノエル」
お店で人気の前菜盛り合わせを、クリスマス仕様に豪華にしたような内容。
・濃厚な田舎風パテ(パテ・ド・カンパーニュ)
・しっとりとした生ハム
・酸味が心地よいキャロットラペ
・オリーブやピクルス
などが、ぎっしりと詰め込まれています。
これをお皿に移し替えるだけで、我が家の貧相な食卓が一気にパリのビストロ(風)に華やぎます。
味も間違いなく、どれを食べても「ワイン泥棒」なアイテムばかり。
合わせるお酒は「甲州にごり」
迎撃するお酒は、紀ノ国屋で調達した山梨・シャトー酒折ワイナリーの「甲州にごりワイン」。
その年に収穫された甲州ぶどうを使った新酒(ヌーボー)です。
「にごり」特有の、果実味溢れるフレッシュな甘みと、酵母の旨味。
それでいて後味はスッキリとしており、パテのような脂っこい料理をさっぱりと流してくれます。
アルコール度数も低めで飲みやすく、お酒があまり強くない人でもスイスイいけてしまう、ある意味「危険な一本」です。
メインはローストチキン……だけど
テイクアウトセットには、メインディッシュとして「大山鶏のローストチキン」と、付け合わせのポテト&キノコソテーもついていました。
ただ、こちらは真空パックになっており、「最後にご自宅のオーブンで仕上げてください」というタイプ。
「え、結局焼かなきゃいけないの?」
と一瞬文句が出かかりましたが、仕方なくオーブンを予熱し、チキンを放り込みます。
しかし、焼き上がるにつれてキッチンに漂い始める、鶏肉の脂とハーブの香ばしい匂い。
これこそがクリスマスの醍醐味かもしれません。
焼き上がりは皮がパリッとしていて、中まで熱々。
さすがはお店クオリティ、スーパーの出来合いのチキンとは一線を画す美味しさでしたが、次回からは疲れている時は「電子レンジで温めるだけでOK」なものを探そうと固く心に誓いました。
問題作「ちいかわベーカリー」のシュトーレン
さて、ここからが本題(?)。
デザート枠として、数ヶ月前から予約してお取り寄せしていたのが、東京・表参道などに店舗を構える「ちいかわベーカリー」のシュトーレンです。
特製のカッティングボードと、オリジナル紅茶がついたギフトセット。

原作漫画の中に「拾ったシュトーレンを食べる」というエピソードがあるのですが、それを再現したようなコンセプト商品は、ファンとしては胸熱なアイテム。
可愛らしいパッケージにテンションを上げつつ、ナイフを入れて、一口食べてみました。
「……ん?」
モソモソとした食感。
申し訳程度にしか入っていないドライフルーツ。
スパイスの香りも乏しく、バターの風味も薄い。
口の中の水分を全て奪っていくこのパサパサ感。
これは……シュトーレンというより「長期保存用の乾パン」?
今まで色々なパン屋さんやパティスリーのシュトーレンを食べてきましたが、正直に言ってぶっちぎりでワースト1位。
これが原作者のナガノ先生の意図した「あえての素朴さ(作中で拾ったものだから)」なのか、単なる大量生産品のクオリティの問題なのか。
ファンアイテムに対して野暮なことは言いたくありませんが、お菓子としての満足度は著しく低い一品でした。
まあ、ネタにはなったし、カッティングボードは可愛かったから由としましょう。
救世主「黒豆」と「伊達巻」
シュトーレンで傷ついた心を癒やしてくれたのは、日本の伝統、和の心でした。
京都の老舗料亭「菊乃井」の黒豆。
ふっくらと艶やかに炊き上げられた豆は、皮が破れることもなく、美しく輝いています。
口に入れると、上品で控えめな甘さが広がり、豆本来の味がしっかりと感じられます。
本当は「仙太郎」の黒豆缶を買いたかったのですが、売り切れで買い逃してしまい……。
しかし、さすが菊乃井、ピンチヒッターとして十分すぎる仕事ぶりでした。
そして大晦日の奇跡。
近所のスーパー「ヤオコー」で、処分セールで半額になっていた、「鈴廣」の超特選伊達巻「古黄(こき)」を発見!

定価だと一本数千円もする高級品ですが、正月を過ぎればただの在庫処分品。
迷わずカゴに入れました。
食べてみると、その違いは歴然。
しっとりとした魚肉(グチやハモ)の旨味と、濃厚な卵の風味。
安い伊達巻のような「空気が入ったフワフワ感」ではなく、身が詰まったどっしりとした質感で、まるで高級なチーズケーキのよう。
「これはスイーツだ、スイーツなんだ」と自分に言い聞かせながら、一人で一本まるごと平らげてしまいました。
まとめ:カオスな年末年始
フレンチデリを食べたり、微妙なキャラ菓子に困惑したり、半額おせちで狂喜乱舞したり。
統一感のない食卓でしたが、まあそれなりに楽しく、美味しく過ごせたクリスマス&お正月でした。
PCのデータは消えてしまいましたが、こうしてブログに残すことで、また新しい思い出を積み重ねていけばいい。
そんな前向きな気持ちで2026年をスタートしたいと思います。


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