かつての「神奈川のフロリダ」三浦海岸へ
京急線に揺られて、三浦半島の先端近くまで遊びに行ってきました。
駅に降り立つと、発車ベルから聞こえてくる「みさき〜めぐ〜り〜の〜♪」というあの哀愁漂うメロディ。
「いや、ここは三崎港じゃなくて三浦海岸駅なんだけどな……」と心の中でツッコミを入れつつ、どこか懐かしいノスタルジーに浸ります。

かつては「青いデートナビーチ」などと呼ばれ、夏になれば数百万人の海水浴客でごった返したこの地も、今は昔。
最近では海水浴客の減少により、ついに「海の家の運営希望者がいなくなった」という寂しいニュースも耳にしました。
都心から電車(京急快特)で一本、わずか1時間ちょっとで来られるアクセスの良さ。
関東有数の広い砂浜、温暖な気候、そして美味しい三浦野菜や新鮮な魚。
ポテンシャルは極めて高いはずなんですが、箱根や熱海といった強力なライバルに比べると、「近すぎるがゆえのあと一歩感」や「日帰りで行けちゃうから泊まらない」という立地の難しさがあるのかもしれません。
元リゾートマンションの巨大ホテル「マホロバ・マインズ三浦」
そんな三浦観光において、宿泊先の選択肢は実はあまり多くありません。
かつてのランドマークだった京急油壺マリンパーク周辺のホテルも閉館してしまった今、地域一番の収容力を誇る頼みの綱は「マホロバ・マインズ三浦」です。

バブル期に「リゾートマンション」として建設され、後にホテルへと転用されたという異色の経歴を持つこの施設。
そのため、客室の広さは一般的なホテルの常識を覆す規格外のサイズです。
キッチン付きのリビングダイニングに、独立した寝室が複数ある2LDKや3LDKが標準仕様。
100平米を超える部屋も珍しくなく、家族連れや3世代旅行、学生のグループ旅行には最強のコスパを誇ります。
(ただし、冬場は部屋が広すぎてエアコンの効きが悪く、温まるまで時間がかかるのが玉に瑕ですが……。厚手の靴下を持参することをおすすめします)
リニューアルされたビュッフェ会場へ潜入
さて、旅の楽しみといえばやっぱり食事。
マホロバ・マインズ三浦には和食会席のコースもありますが、今回はファミリー層に一番人気の夕食ビュッフェをチョイスしました。
会場は本館2階のレストラン。
最近リニューアルされたそうで、以前の少し薄暗い宴会場のような雰囲気から一変、明るくモダンで清潔感のある空間に生まれ変わっていました。
私たちが訪れた日はインバウンドの団体客も少なく、比較的落ち着いて食事ができる環境で、これは嬉しい誤算です。

目玉の「マグロ」は期待しすぎ注意?本音レビュー
三崎のお膝元ということで、ビュッフェの主役はもちろんマグロです。
刺し身コーナーに行くと、巨大な桶にこれでもかと言わんばかりに盛られたマグロが鎮座しています。
赤身、ビンチョウなど数種類が並び、まさにマグロの山。

新しい照明リングに照らされてキラキラと輝いており、見た目のインパクトは抜群です。
しかし、肝心の味について正直な感想を言うと……「アベレージ(標準的)」なクオリティかな、というのが本音です。
大量に提供するオペレーション上、解凍のタイミングが難しいのか、部位によっては少し水っぽさを感じたり、逆の中心部がまだシャリッとしていたり。
「三崎に来たからには、銀座の寿司屋で出るような極上の本マグロを!」
と過度に期待して意気込んで食べると、少々肩透かしを食らうかもしれません。
個人的には、お刺身単体で食べるよりも、酢飯に乗せて「握り寿司」になっているものの方が、シャリとのバランスや温度管理が良く、美味しくいただけました。
まあ、本当に感動するレベルのマグロを食べたければ、ここからバスで20分の三崎港へ行き、専門店でそれなりの対価を払って食べろって話ですよね。
宿泊料金に含まれる食べ放題ビュッフェとして考えれば、好きなだけマグロを食べられるエンタメ性は十分合格ラインだと思います。
ワサビをたっぷりつけて、ご飯に乗せて「勝手丼」を作るのが正解の楽しみ方かもしれません。
意外な伏兵「中華」と「揚げたて天ぷら」
マグロ以外のメニューも見ていきましょう。
ライブキッチンで提供される「揚げたて天ぷら」は、衣がサクサクで非常に好評でした。
海老やキスといった定番に加え、季節の野菜天ぷらもあり、天つゆだけでなく塩でいただくのもオツです。

そして、個人的に意外なヒットだったのが中華コーナー。
見た目はいかにも業務用っぽい春巻きや餃子なんですが、これが妙に美味しい(笑)。
皮がパリッとしていて中身もジューシー。
変に凝った創作料理よりも、こういう王道のお惣菜の方が、ビールのお供としては最高だったりするんですよね。
子供たちも喜んで食べていました。
和洋中ひと通り揃っているので、お刺身が苦手な人がいても、お肉派の子供がいても、3世代の旅行でも、誰かしら食べるものが見つかるという安心感はあります。
もっと「三浦野菜」を推してほしい!
少し残念だった、というか「もっとこうすればいいのに!」とお節介ながら感じたのは、野菜料理のラインナップです。
三浦半島といえば、冬は大根、春はキャベツ、夏はスイカやメロンと、関東屈指の「野菜王国」です。
一応、豆乳鍋や大根ステーキといったメニューはありましたが、もっと地場野菜を全面に押し出しても良いのではないでしょうか。
例えば、採れたての三浦野菜をそのままかじれる「新鮮野菜のバーニャカウダ」とか、キャベツを丸ごと使ったグリルとか。
近所の畑には、売るほど(というか捨て値で売られるほど)野菜が埋まっているんですから、ここはぜひ強化してほしいポイントです。
「野菜が美味しいホテル」というブランディングができれば、女性客の満足度もさらに上がるはずです。
まとめ:ファミリーには最適の「気取らない」宿
お腹いっぱい食べて部屋に戻ると、窓の外には真っ暗な海。
波の音だけが聞こえる静寂。
都心からわずか1時間ちょっとで、この非日常感を味わえるのは、やっぱり三浦の貴重な財産です。

食事のクオリティに関しては、「一生の思い出になる絶品グルメ」というよりは、「家族みんなでワイワイ楽しめる楽しいファミリービュッフェ」という位置づけがしっくりきます。
気取ったドレスコードも必要なく、浴衣やスリッパでリラックスして利用できるのも魅力。
広い部屋でゴロゴロして、地下1500mから湧き出る天然温泉(ちょっとしょっぱいナトリウム泉)に浸かって、好きなものを好きなだけ食べる。
そんな「頑張らない休日」を過ごすには、マホロバ・マインズ三浦は非常に良い選択肢だと思います。
特に小さなお子様連れや、親戚一同での集まりなどには、これ以上ないほど使い勝手の良いホテルですよ。

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