大通公園沿いの老舗麺処
関内駅から伊勢佐木長者町方面へ。
大通公園の「石の広場」すぐ脇に、昔ながらの佇まいを残すうどん・そばのお店「おおぎ 蓬莱町店」があります。

かつてこの周辺には横浜市役所があり、昼時ともなれば多くの公務員たちで賑わっていました。
市役所が移転し、周囲の環境も少し変わりましたが、このお店の暖簾をくぐると、そこだけ時計の針が戻ったような安心感があります。
ホールを切り盛りするお母さんの、飾らない(良くいえば親しみやすい、悪くいえばぶっきらぼうな 笑)接客も、昭和の食堂らしくてイイ。
「いらっしゃい!」という威勢のいい声を聞くと、実家に帰ってきたような気分になります。
昼から一杯? 元・常連たちの憩いの場
最近訪れて気づいたのは、お昼のピークを過ぎた午後2時、3時といった時間帯でも、意外とお客さんが入っていること。
そして、その多くが、瓶ビールや焼酎を傾けていることです。

おそらく、現役を引退した元・常連のお父さんたちが、散歩がてらに寄って、一杯やっているのでしょう。
常磐町や相生町にある支店もそうですが、「おおぎ」は単なる麺処としてだけでなく、地元の社交場・飲み屋としての側面も強くなっているようです。
昼下がりの陽だまりの中で、蕎麦屋酒を楽しむ。なんとも羨ましい老後ではありませんか。
名物は「鴨せいろ」だけど…
「おおぎ」といえば、一番人気は「鴨せいろ」。
こちらのうどんは、讃岐のようなコシの強いタイプではなく、稲庭うどんを思わせるような、細めでツルッとした喉越しの良いタイプです。
これが温かい鴨汁に絡んで、スルスルといくらでも食べられてしまいます。
しかし、今回ご紹介するのは、ボリューム満点の「鶏天うどん」です。

鶏天のスタイルが独特
こちらの鶏天は、うどんの上に乗っているのではなく、唐揚げ定食のように別皿で提供されます。
そして面白いのが、注文時に「タレ」を選べること。
甘辛い醤油ダレか、さっぱりとした塩ダレか。
「タレ」といっても、下味の違いではなく、揚げたての鶏天をタレが入った小鉢に「ドボン」と浸して食べるスタイル。
衣にタレが染み込み、ジュワッとした食感を楽しめます。
うどんと一緒に食べるもよし、そのまま食べてビールのアテにするも良し。
うどんのつけ汁には、ぶつ切りのネギがたっぷりと入っています。
ベースの出汁は、関東風にしてはカドのないまろやかな(少し薄めとも言える)味わいなので、鶏天の油を少し移しながら食べるとコクが出てちょうど良いかもしれません。
まとめ:変わらない良さがここにある
洗練された高級店も良いですが、普段のランチには、こういう気取らないお店こそが必要ですよね。
ツルツルの細うどんの喉越しと、お母さんの元気な声。
関内の官庁街で長年愛されてきた「おおぎ」は、今も変わらず、働く人々(と引退した人々)の胃袋を満たし続けています。


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